自暴自棄
妻が二夜連続で私に、子供らに嘘をつき、嘘をつかせてまでも無断で外出し、飲み会に参加した理由と原因がわからないまま、約1週間が過ぎた9月の上旬のある日の夜。私は相変わらず、今回の妻の行動が理解できずにいた。 妻をこの様な事にさせたのは俺に原因があるのか？俺が遠いこの土地で単身赴任で家族の為に頑張っている事っていったいなんなんだ？俺は本当に家族に必要とされているのか？ 妻が原因や理由を明かさない以上、私の疑問は晴れない。その、ストレスから逃げる為、毎夜、酒を浴びるほど飲み、泥酔し、その力を利用して目を瞑るしかなかった、 ふと、部屋の中にあったフェイスタオルと扉の取っ手が目に入り、何も考える事もなく、そのタオルを首に通しタオルの両端を結び、ドアの取っ手に掛けた。特に死にたいという訳ではなく、ただただ、この日々の煩わしさから逃避できるのかなと言った気持ちが、そうさせた。 泥酔していたが、死ぬかもしれないなぁと言った感覚があったのかもしれない。私はなぜか自分でその姿をスマホで撮り、妻へメールした。LINEをしようと思ったが、妻のLINEは既に消去していたからだった。 妻にメールしてからの記憶は殆どない。ただ、そのメールを見たのだろう、妻から私のスマホに着信があった事は記憶に残っている。私は私のスマホに映った妻からの着信画面を、遠い記憶で確認し、電話に出る事もなく、首にまかれたタオルをドアの取っ手に掛けた状態でそのまま意識を失った。