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69-71_悪役のエンディングは死のみ ネタバレ

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ペネロペは口を塞いでいた手をゆっくり下ろした。 焼却所のすぐそば、イクリスが手をついた建物のの外壁越しの倉庫で密かに彼らの会話を盗み聞きしていた。 以前、イヴォンヌがイクリスを洗脳する場面を見たので、そのままではいけないというペネロペの判断は的中した。 薄っぺらな壁を挟んで、彼らの会話を盗み聞きし、人の気配が消え去ってからようやくその場を離れた。 部屋に戻ってから、エミリーに金槌を持ってこいといい、鏡の欠片を叩き割ろうとした。 しかし、どんなに頑張ってもこの欠片はなんともなかった。 「エミリー」 散々金槌で叩いていたため、深呼吸しながら冷静さを取り戻そうとした。 「今すぐ使いに行ってくれない?」 「え?なんの・・・」 「あれを持って、白うさぎの商会に行け。最大限誰とも出くわすな」 私は床に落ちた欠片を軽く顎で指した。 エミリーはすばやく体を動かしてそれを拾った。 「行って、誰も知らない安全な場所に保管するように伝えて。  私が探しに行くまで・・」 火に燃えず、金槌で叩いても壊れなかった。 どう考えてもすぐ屋敷の外に出すしか方法がなかった。 「はい、わかりました、お嬢さん」 「それからもう一つ、島が消えた夜に頼んだことをもう一度実行して欲しいと伝えて」 「はい、絶対忘れずに伝えます!」 「うん、気をつけていってらっしゃい」 何度かやったことがあるせいか、エミリーは何も聞かずに急いで部屋を出た。 それが私の記憶を消して欲しいという依頼」であることを知らないメイドの後ろ姿を見ていた。 「今すぐここから出ないと!」 北方に行かなければならなかった。 __________________ 「お嬢さん、私行ってきました!」 その晩、エミリーは私の任務を完遂して戻ってきた。 「誰とも出くわすことなく行ってきたんだよね?」 「はい、お嬢さんから伝えて欲しいということも伝え終わりました。商会主がしっかり保管すると言う答えを聞きました」 「ご苦労様」 私はすぐに尋ねた。 「ところでエミリー、私が届けろっていうものはちゃんと渡した?」 「え?何をですか?」 全くわからない言うように、見開いた目に偽りはなかった。 ヴィンターはエミリーから鏡の欠片に関する記憶だけをけしたことを直感した。 もう残っているのは、いつ脱出するかだけだった。 ________________

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