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53-56_悪役のエンディングは死のみ ネタバレ

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ふと微かな人の気配が感じられた。 ドアが開く音だった。 「誰も入れるなって言ったのに!」 なんの気配もないのか、はばかりもなく私の近くにやってくる侵入者の足音が聞こえた。 護衛たち?それともエミリーかな? 私は今朝ちょうど急ぎ足でヴィンターの元に行かせたエミリーのことを思い出した。 あいつが最後まで断ったら、残りの2日間どうすればいいか考えていた。 突然近づいてきた誰かの足取りがぴたりと止まった。 腕で目を覆ったままイライラしていた。 「誰も入れるなって言ったはずだが」 「それは皇族も含まれるのか?」 しかし、返ってきた言葉は全く予想できなかった者のものだった。 ぼんやりとした司会の間から、きらびやかな黄金色、そして真っ赤なルビーが輝いていた。 ・・・カリスト? 「あれ?もう目覚めたらダメだ。まだキスをしていない」 笑い声の低い低音が、より鮮明に耳元に迫った。 私はその時、やっと冷や水を浴びせかけられたようにはっと我に返った。 「あの、殿下」 飛び起きてもう少しで皇太子と頭を打つところだった。 「ここにはどうやっていらっしゃったんですか?」 「かなり忠誠な護衛をしていたよ」 カリストは肩をすくめて大したことないように答えた。 「皇太子の前に立ちはだかるので、気絶させておいた」 気絶・・・? 「どうしてここにいらっしゃったんですか?」 「婚約者の家へ、勝手に来られないの?」 「初耳ですね、お兄さんたちの中のどちらかと婚約したのですか?」 「なんでそんなひどい冗談が言えるんだ。公女は本当に面白くない」 彼はいつの間にか、派手な制服のシワを気にせず芝生にうずくまっていた。 真っ白な制服のズボンの裾に草水が滲んでいた。 「立ってください、殿下。服汚れますよ」 ・・・・ 皇太子は目の前に差し出された私の手を妙な表情で眺めた。 手を振りながら急かした。 すると、彼がひったくるように私の手を握りしめてその場から立ち上がった。 そしてテーブルに着いた私は、彼に席を勧めた。 ぎゅっと握られていた手はその時ようやく手を離してくれた。 「すぐ追い出すと思っていたのに」 しばらくした後、メイドの一人がガラスドアを開けて茶菓子を持ってきた。 近くで見たら、メイドの顔が青白かった。 護衛たちを気絶させて侵入したのが本当だったようだ。 「公爵邸には何の御用でいらっしゃいましたか?」 「君の成人式の贈り物を持ってきた  たくさんあるので、前もってもっていけと指示した。  成人式当日にはあらゆるものが贈られてくるだろう」 素直にいうカリストを少し驚いた目で見ていた。 「こないだくれたじゃないですか」 「それは褒美だった」 「しかしあえてこうして直接もってきてくださる必要はないと思いますが・・  忙しいでしょう、あの時のように部下にやらせたらよかったのに」 「ほう、どうしてこんなに気がきかないの?  当然、顔を見にきたんだよ。そうでなければ、この忙しい時期に私がここまで直接出向くわけが」 「殿下  ちょうど来られて良かったです。成人式の日には忙しくて答えられないと思うので、その時ご提案いただいた件についてはっきりとお答えしますと、私は殿下とそのような・・・・」 やっとの思いで話を終えようとしていたところ、 「ちょっとお嬢さん」

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