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230話 こんなの絶対に受かっていない

「こんなの、絶対に受かってない。」 これはYゼミと駿○のセンター利用私大の A判定を見せたときのキャサリンの言葉である。 私までは届かないところで、イチローは キャサリンからお試しを受けろ、滑り止めを受けろと 再三言われていたらしい。 それは多分二浪のイチローを 心配してくれてのことだろうと思う。 キャサリンにはセンターの得点報告はしているが、 センター利用私大については詳しく話しておらず、 センターリサー○の判定結果も 見せていなかった。 それを見せて、ちゃんと説明して、 滑り止め候補を確保できていると解ってもらえたら 先生の不安も払拭できて、 滑り止めを受けろというやりとりも減らせるのではと 先日イチローが持参したところ、 冒頭のセリフを吐かれたのだった。 センターでは3段階に滑り止めを設定しており、 一番下の学部学科では、 大手予備校の駿○、Yゼミ、河○ すべての判定でA判定プラス20点以上となっている。 それを元に私とイチローは よっぽどのこと(マークミス、自己採点ミスなど) でもないかぎり大丈夫では、と予想を立てた。 イチローはリサーチの紙をキャサリンに示し、 「滑り止めに考えられる大学の中では この大学へ行きたいと考えているので…。」 と伝えたら キャサリンが絶対に受かってるわけがないと切れたのだ。 イチローはその意外な反応に驚いた。 なんでもキャサリンが合格しないと言い切る理由は 「募集人数が26人となっているのに、アナタの順位は27位。だから受からない。」 ということだという。 確かにMARCHのような人気大学のセンター利用には かなりシビアな状況も発生するのは事実だ。 そう言うケースもあったんだろう。 でもイチローが出願している大学の話ではない。 キャサリンの話について、納得できないイチローは私に 「でもそこはセンター利用合格者を、 毎年百数十人合格を出しているんだよ。 なのになんでダメだって言い切れるの? ダメなのになんで予備校が3校ともA判定を出すの?」 と反論してみせる。 「募集人数よりもランクが上に行ってる予備校もあるんだよ。 そっちの紙だけを見せてたらOKってことだったの? そんなのおかしいよね? 一つでも、募集人数よりも下回ったらダメってこと? そんなにダメならなんで、BやCにしないのさ? なんていうかさ、ダメだっていう根拠が全然 はっきりしないんだよ。 それでいてはっきりダメだと言い切るんだ。」 と憤った。 もちろんA判定は完全ではない。 リサーチ提出用紙に記入する私大の数は3つ、と限られている以上、全ての出願大学は記入できないだろうし、 リサーチ自体、提出していない子だってたくさんいるだろう。 だから完全に大丈夫と言い切れないというのは こっちも承知している。 もしもセンター利用A判定が 朝露のごとく消えてしまった時には、 その合格発表後に出願できる大学を受けていく 心づもりはもちろんあった。 ただあのA判定にはもうひとつ 大きな意味があったのだ。 イチローはミスキングなんだ。 それはどうやら障がいレベルなんだ。 合格するためにはミスを一つでも減らすしかない。 そのミスを減らすのにどうしても外せない大事なことの一つに 「緊張しないこと」 というのがある。 二浪のプレッシャーは相当なものらしい。 イチローはセンターが近付くにつれ、 かなり緊張していたようで、ミスが増えていった。 それははたで見ていて どうせまたミスするよな、 ↓ 俺はミスするに決まっているんだよ。 ↓ ほら!ミスした。俺はやっぱりダメなんだ。 ↓ (最初へ戻る) というような悪循環を自分で作り上げている感じだった。 どんなになだめようが、 励まそうが、 そんなもので打ち消せるようなものではないのだ。 自らを自らでマインドコントロールしてしまうのだから それを断ち切るためには自信をつけさせる、 つまり自分を信じさせるしかない。 でも自信なんて、早々つくものではない。 このどん詰まりで一番手っ取り早い方法は… それがセンター利用私大のA判定だったのだ。 この際、大学のレベルは少々何でも、 A判定であることが重要だった。 イチローは最後の模試でも結果が出せず、 心のよりどころを持たない二浪生だ。 センターが自信をつける最後のチャンスだった。 二浪にもなると普通は MARCHレベルをセンターで押さえるのだろうけど、 ミスキングのイチローの場合 そんなのは無理だと解っている。 私はイチローでもうまくすれば取れそうな私大を よくよく選んで出願を勧めた。 どうせ 本命私大の一連の受験が終わるまで センター利用大学の合否発表はされない。 だったら 三大予備校でA判定 = 合格 で信じさせてしまい、 自分はダメじゃない。すでに合格が取れていると 自信をもって、自分の力を信じて 本命難関私大を受験して欲しかったのだ。 それを A判定でも落ちるって。 ↓ 絶対取れたと思ったあの大学もダメなのか。 ↓ だったらもうこれから受けるところなんか受かりっこない。 ↓ (最初に戻る) って気分で受験してどうなるものでもないだろう。 合格していないと困るのは事実だけど、 もう一つの目的、心のお守り まで ぶっ潰してくれたことに 私は非常に腹を立てていた。 キャサリンの話はまだ続く 「R大なんて受かりっこないわよ。あそこはW目指して頑張った子達が合格していくところ。だから絶対無理。」 イチローは、イケメン先生と相談して R大学へ4つも願書を出していた。 イチローは 「こんな受験直前になって、絶対受からないなんてさもう、授業も受けたくないよ。」 イチローが 塾や学校に行きたくない と言ったのは 初めてかもしれない。 キャサリンはかねてから 物言いがはっきりしすぎていて 何度か私を唖然とさせたことがあったが それを問題視するたびに イチローはキャサリンをかばってきた。 「そんな先生じゃないよ!」 って。 それが もう会いたくないって こりゃ相当だな。 なんていうか。 言い方ひとつなのかもしれない。 例えばこんな風に 「センター利用私大の合否は不確かだから、当てにしないで一般も受けなきゃだめよ。だから例年、安全策を取って、みんなそうしているのよ。」 とか 「R大学は難しい大学よね。違うレベルの大学ももっと受験計画に入れておくといいわね。」 と言いたいだけかもしれなかった。 でもさ、 だったらさ、 そう言ってよ。 プロでしょう? 私はイケメン先生から前に 「R大レベルの英語は大丈夫だろうと言うことです。 なので今度の受験は三教科揃えて勝負ができます。」 と聞いていた。 だから R大なんてうかりっこないと英語の先生から言われるとは全く寝耳に水だった。 「なんでこうなるのよ? しかも、願書を出して受験票も届いた今頃になって。 もう試験一週間前よ。 受かりっこない? それらならそうと出願前に言ってよね!」 イケメン先生はいいことは教えてくれるが マイナスなことはあまり教えてくれない。 それは隠すと言うよりは保護者の不安を下手にあおってしまい 母親などが騒ぎ出すとロクなことがないからかもしれない。 よくある子供の勉強の浮き沈みに母親を巻き込むと、 母親自身が子供を追い込むなど、 面倒くさいほうへと転がっていき、 確かに修正できるものもしづらくなるのだろう。 だからってさ。 ちょっと今回のお話はあんまりなんじゃないかしら? 二浪なんだようちは。 受かりもしないと言い切られるところを 4回も受けてどうするって言うの? 1回くらい挑戦するのはともかくとしても、 残り3回は受験日がかぶっていて受けられない もっと下の大学を受けなきゃいけないってことだったの? 私は半泣きになりながらイケメン先生電話を掛けた。 ここへきて あきれるほど英語ができなかったんじゃないの?

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