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セイラック~山と川と釣りの物語 vol.7 川で拾ったリトルクレオ

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まえがき、のようなもの

これは、現在つり人社から発行されている鱒の森に不定期連載している、「東北釣道具奇譚 セイラック物語」の第7話にあたり、2006年の秋に発売になった、トラウティスト第16号に掲載したものです。 2001年の春に発売したトラウティスト第6号(この号まで僕はトラウティストの編集をしていた)で中断していたセイラックを、トラウティスト誌上で復活させた、僕にとっては思い出深い文章になります。 その年の春ぐらいだったか、僕のあとを引き継ぎトラウティストのいだ宇野君から、また読みたいという読者の希望が多いので、セイラックを一回だけ復活させませんかという打診(そのように記憶しています)があり、引き受けた後で、ならばどういう展開にすべきか悩み、店主の言幸さんと「僕」との出会いを書いておくのも悪くないと思ったのでした。 以下セイラック7話の本文です。

城下町のセイラック

その店はぼくの家から歩いて15分ほどの距離にあって、ちょっと時間が空いたときなどに、ふらりと訪れるのにちょうどいい。 城跡の公園をぐるりと右から回りこむように歩くと、幅30mほどの川にぶつかる。 子供のころに網を持って魚を追い回した流れを見ながら、歩行者専用の橋を渡ってもうしばらく歩いた先にセイラックはある。 釣り具とアウトドア用品の店なのに表にはそれと分かる表示は何もない。道路から見るとただの洋館にしか見えないので、毎日のようにそこを通る人でも、ここがお店なのだと認識している人は少ないはずだ。 観音開きの扉を引いて店内に入ると、内部は驚くほど暗く、目が慣れるまでにちょっと時間が掛かる。 細長い店内には、両側の壁にパッケージに入ったルアーが天井までぎっしりとぶら下がり、胸の高さの棚には古いキャンプ用のランタンやストーブ、ナイフや双眼鏡などが並んでいる。 ほこりをかぶったその双眼鏡をちょっと手にとって見たら、それはカール・ツァイスだった。

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