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セイラック~山と川と釣りの物語 vol.3 ミラクル・ドロッペン

アブは1980年代までのルアー界を牽引した

これは、東北地方の城下町にあるセイラックというプロショップと、そこで僕が見かけた、あるいは購入して魚を釣った、もしくは買ったけれどまだ1匹も釣れていない、ルアーに関する話である。 この店は釣り具とアウトドアの店だが、外観はただの洋館である。中に入るまで、そこが店舗だということには全く気がつかないだろう。 中に入ると、新製品と古い釣り具や何に使うのか分からないような道具が雑然と並び、その上にうっすらとほこりが積もっている。店内の掃除が定期的にされている気配はない。 店の主人は言幸さんといい、名字は彼との約束で書かないことになっている。「ことゆき」なのかもしれないけれど、僕らは「げんこうさん」と呼んでいる。 言う=SAY(セイ)、幸=LUCK(ラック)で、セイラックという名が付いたのだという。 神奈川県の小田原市にある「聖楽堂」というちょっと変わった本屋さんとは関係がない。 ABU(アブ)という名前は、釣り人の中でも、特にルアーマンにとって特別の存在に違いない。 リールで言えばアンバサダーやカーディナル。ロッドならばディプロマットあたりが有名だ。 時代で言えば、80年代前半くらいまでの、エビスフィッシングが代理店だった頃のアブは、今や、プレミアがついて当時の新品の価格よりも高価な値段で、モノとその状態によっては、何十万という価格で取り引きされていると聞く。 セイラックにも現行モノを中心にアブの商品はおいてある。以前に比べると古アブはだいぶ少なくなったが、それでも、店自体が多くの人に知られていない(客は常連の30名くらいだと思う)ことや、言幸さんが店の奥や物置にまだ在庫をたくさん持っているだろうことを考えると、珍しいルアーやリールが店頭を飾る可能性はまだあると、僕はにらんでいる。

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