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ウサギの校舎-9

※)この小説は7話までブログで公開しています。料金比較:リキュー…8話から10話 計300円、電子書籍500円

また、爪は「教師のくれたヒントを生かせば、犯人が分かる」と言った。今さら教師の何を信用しろと言うんだろう。もらったモノと言えば指紋採取キットだけ。しかもキレイに指紋が取れない。  ただ午後の授業を終えて、手詰まりの静ができる事と言えば、結局もう一度現場を検証する事だけだった。爽への黙祷は午前中の数分だけ。部活動も始まる前で、校堂は閑散としている。なんの変哲も無い。湖の方からやってくる空気は、いつも少しだけ湿っているが、それが心地良いか気持ち悪いかで、静は自分の気持ちがどこにあるかを知る事ができた。今はそれが分からない。途方に暮れていた。  ミステリー小説にあったように死体のフリをしてみた。なんのひらめきも無い。仕方なく起き上がり、科学室に行く。スイッチの上に掲げられている時間割で、なんとなくミステリー研究部のクラスがいつなのか、調べた。 ・ミステリー研究部で課題が出た日 静のいるクラス。 ・一日目の午後 三郎のいるクラス ・二日目の午後 爽と美香のいるクラス。 ・三日目の午後 七海と俊郎のいるクラス。 花の事件に使われた道具は、ガスボンベとコンプレッサーだけでなく、工具なども犯人は持ち出して使ったのかも知れない。だが、それでなくても科学用具室は雑念としている上に、複数の生徒が使う。日々、少しずつ様相が変わるのが当たり前の用具室である。事件前後でどう変わったかなんて分かるわけがない。写真でも撮っていたら違ったんだろうが。  ふと静は思った。 一昨日は、ガスボンベのバルブの指紋を調べたが、よく分からなかった。けれど、ガス圧を示すレギュレーターなら?指紋も残りやすそうだ。 爪が「今日の午後には分かる」と言ったのだから、そういう簡単な発見から、犯人が分かるに違いない。そこで、静は奇妙な事実を発見した。一昨日は、粉を叩くとそこかしこに浮かびあがり、掠れたり縺れたり、何が何やらサッパリ分からなかった指紋が、今はキレイさっぱり無くなっている。

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