176話 辛さの先にあるもの
二浪の12月になって、 イチローは、やっと やーっと最近 受験生らしくなってきた。(お、遅せ~ ) 何て言うか・・・、 自分で自分をコントロールできるようになってきた 感じがするのだ。 人に動かされているうちは、大して伸びやしない。 言われたことだけやっているようでは大きな仕事ができないのと同じだ。 以前は課題がないと、流されることがよくあったし、 一生懸命勉強したとしても、内容が見当はずれなことが多かった。 それは なんでここまでこうなっちゃうのか? と 疑問に思うくらいのひどさだった。 イケメン先生にも 「勉強の仕方が下手すぎる。」 と言われていたから私の思い過ごしではないだろう。 だから宿題やノルマをちゃんと示して欲しかったし、 お金がかかっても塾で先生に見てもらいたかった。 それがここにきて 完全ではないにしろ、 自分で動けるようになってきた感じがある。