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輪廻転生 約束の華 ① 放浪の日々

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1.始まりの時

雪風が舞い散る寒い中、網傘をつけて黙々と歩いていく。 腰には刀を差し、傍に寄り添う狐を気に掛ける様子もないのに、その足取りはしっかりしていた。 『影鷹殿』 「なんだ?」 『そろそろ休みなされ、お身体に触りますぞ?』 「といってもなぁ・・・・」 困ったかのように呟いた。 「休めるようなものは何一つとしてない。ただ歩き続けるしかあるまい?」 『確かにそうですな・・・・』 責めるような言葉の中には、気遣う心があった。 それがわかっていたからこそ、傍に寄り添う狐こと二尾の稲荷も何も言わなかった。 『もうしばし歩かれた所に社がありましょう。そこまで歩かれたあと、しばし休まれると良いでしょう』 「ではそうするか」 深々と積もる雪の中、ただひたすら歩いていく。 まるで何かを忘れるかのように、吹っ切るかのように。 「やれやれ・・・どうにか着いたな」 『そうですな』 そっとお堂の中に入ると、安堵したのか、ぐったりと力なく座り込んだ。 「どうにか暖を取ることはできそうだな・・・・稲荷殿、今宵はここで休ませて頂いて宜しいだろうか?」 『よろしいもなにも・・・・』 器用に扉を閉めると、顔色を変えた。 『影鷹殿!!』 「・・・・」 『影鷹殿!!気をしっかりともたれよ!!』]

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