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冬恋⑨

まるで静止画のように臣は立ち止まり、動かなくなった。 大きく見開いた目。 吐く息も見えない。 息も忘れたように、苦しげに俺の方を見た。 違うよ、臣。 そういう意味じゃなくて。 でも、一度は…いや、一度じゃないな。 今までだって、何度も思ったことあるな。 自分でも一番嫌いな感情。 ”嫉妬”の炎で身を焼き尽くす位なら、 いっそ別れた方が気が楽だって。 愛してるのに別れを選ぶなんて、 人間だけがする、まったく残酷な行為だ。 これから先も、何度も何度も、 そういう場面に出くわす度に何度でも、 ”嫉妬”という醜い感情に支配され、 身も心も疲れ果てるなら、 絶対は有り得ないけど、 自分だけを愛してくれる笑顔の可愛い人と、一緒にいる方が楽なんじゃないかって。 平穏な日々を送れるんじゃないかって。 嫉妬する度に、そんなことも考えた。 お前だって感情のある人間なんだ。 これから先ずっと飽きないって言えるか? 心までは、支配できないんだから。

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