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はなのむかしのはなし10

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小学校を卒業して、中学校に入学するまでの春休みに制服を作るよう案内がきていました しかし、実母は一向に制服を作る衣料品店に連れて行ってはくれません 私は「早く行きたい」とは言えない性格で、ずっと不安に思いながら過ごしていました 入学まで日にちが迫った頃、ようやく「制服作りに行くで」と言われ喜んでついて行きました 衣料品店に入る前に実母がコソッと「引っ越ししてきたから今になったとか言うといたらええから」と耳打ちしました 私は実母のそう言うところが1番嫌いでした 衣料品店のおばさんは何も聞いたりはしませんでしたが、お店のおばさん同士で「間に合うよね」と相談していたので、期日ギリギリだったようですが何とか入学式には真新しい制服を着て参加する事ができました 中学に入学した私は部活動に誘われました 小学生の頃の友達に「バドミントン部に入ろう!」「今度の日曜日にスポーツ店にラケット見に行くから一緒に行こう!」と誘われても、家の金銭的事情を考えると、とても親に「ラケットを買って」とは言い出せず、友達の誘いには「うん」とも「ううん」とも答えず曖昧にしたまま過ごしました 結局友達は数人とバドミントン部に入部し、私はいわゆる帰宅部という何もしない放課後を過ごしていました 特にスポーツが好きなわけでもなかったので、無理をして部活に入っていても恐らく続きはしなかっただろうと思うので、それはそれで良かったのだと思います 同級生が100人程度の小学校から、同級生が3000人を超える大きな中学校になり、環境やこれまで知り合った事のなかったタイプの子達との出逢いに私は随分と救われました 偶然席が近くだった女子とはお互い再婚家庭の子供である事を知り、お互いの家での悩みや嫌なことを打ち明けあう内にとても仲良くなりました 私以外にも、親が再婚の子がいるだ 窮屈な思いをしている子がいるんだ 私だけじゃないんだ それを知っただけでも、鬱々とした気持ちが晴れたような気分でした 家庭の環境に関係なく、親子の不仲や兄弟の不仲、周りの同級生から様々な話を聞き、今まで自分以外の人はみんな温かい家庭で、家族と幸せに暮らしてると思っていた私は「こんなに沢山の人が同じような気持ちで過ごしているだ」と安心したような気持ちになりました そんなある日 帰宅すると実母の知り合いだというおじさんがいました タクシーの運転手をしているそのおじさんは平気な顔で家にいました 私は実母と男女の関係なんだなと感じ取りました ここから、実母の不倫に振り回される数年が始まるのでした

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