まえがき
行政書士の3年以内廃業率は8割ともいわれています。これも、実務の研修はいろいろあっても、経営の研修がほとんどないことに起因していると思われます。 独立開業の多い行政書士。となると、行政書士は法律家であるとともに、立派な個人事業主です。いくら法律家として優れていても、経営者としてダメなら廃業の憂き目にあいます。 せっかく取得した資格が有効に生かされず、提供する側も、そしてその恩恵を受けるはずだった多くの人たちにとっても大きな損失です。 それほど経営が大事であるにもかかわらず、それを指南するマニュアル等はほとんどないに等しい状態です。経営については、ほぼ無防備の状態で放り込まれるようなものです。実務の手引きぐらい充実した経営のマニュアルがあればと思ったことが何度もあります。 そこで、私は、自らの体験談を踏まえながら、行政書士開業前から1年目にやっておくべきこと、やっておけばよかったこと、そして、やっておいて上手くいったことをまとめ、マニュアル化してみました。これを機に、今後行政書士として開業する方々が開業後もスムーズに仕事が取れ、路頭に迷わないようなことになれば幸いです。
開業0年目 開業までにできるこれだけの準備
開業後、どんな状態が理想でしょうか? やはり、すぐ仕事の依頼が来て、収入を得て、年度末は黒字決算で終えることではないでしょうか? そして、数多くの仕事を成し遂げることで、顧客に感謝され、自らも誇らしげになれることではないでしょうか? そのためには、そこから逆算して準備する必要があります。 そういう状態を理想として、現状との間のギャップを認識し、その間を埋めること。それが準備です。 ・資金 ・人脈の洗い出し、開拓 ・ニーズの把握 ・行政書士法の勉強 ・登録 すぐ思い当たるのは大きく分けてこの5つです。順番に説明していきます。