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一浪するってどう?69行きたい大学70後半戦の戦略71話が違う72イケメン先生の

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69話 どこでもいいわけじゃない。

Yゼミの一覧を見ていたら、N大の文理学部がまだ間に合う。 理工と違って建築はないが、物理はどうだろう? それからN大理工学部はセンター併用がある。 なんでだか知らないが、 一番実力がない英語だけが高得点だったセンター試験。 それを生かそうじゃないか。 センター数学は悲惨を極めたが、 数学はN大オリジナル問題で受け直せる!  これはまさにうってつけ。 さらに見ていくと、今まで目を向けていなかった 東京以外の大学が結構あった。 そうだ!関関同立がある!そこはどうだろう? まだ合格が出ていないという現実を考えたら、 人気の関関同立は イチローにとって難しすぎるだろうか。 でも下だけ取りに行くのでは、モチベーションも上がらない。 関関同立を据えて、そこを目指しながら下をとるのなら・・・? 私は、塾の授業が終わる頃を見計らって、 イケメン先生に電話をかけた。 「これから出願する大学ですが、N大文理学部はどうでしょう? 問題傾向が違いますか?」 「そうですね。ちょっと、対策が必要ですね。 でも対策すれば難しくはないので・・・。」 「他大の受験スケジュールを考えると、 時間は2日間とれるかどうか、というところです。 それから、N大の理工はセンター併用で受けようかと。 センター英語を使って、数学はオリジナル試験を受ける、 というものです。」 「N大文理学部の対策は出来ます。 2日間でもまあ、大丈夫でしょう。 N大理工学部の数学は特別な対策なしで全く問題ありません。」 「あと・・・、今から出願できて、まあまあなところというと、 付属大があるのですが・・・ 付属大か、それより下の大学か、 どちらかへ進学するとしたなら、 どっちを選ぶべきなのでしょう? 変なプライドは捨てるべきでしょうか・・・。」 「イチロー君は 性格的に見ても、  いままでの経緯を聞いたことから考えてみても、 付属大へ行くことは勧められません。  受けるのは止めましょう。」 先生ははっきり言い切った。 先生は男だから、 男のメンツの大切さが解るのかもしれない。 多少、偏差値が高いといってもそれは多少。 デメリットを考えたら、選択すべきではないと。 彼の今までを否定しかねない、 そうなると、確実に折れてしまうからと。 これで私も腹が決まった。 もうあの大学はウチでは無いものと思おう。 あると思うから迷うのだ。 そんな大学は無いのだ。 無いから受けられない。 そのあと、ずうずうしい気もしたので ちょっとだけ勇気を出して聞いてみた。 「・・・それから先生・・・。 あの・・・、関関同立ってどうでしょう? まだ間に合う・・・」 「いいです!そこなら全く対策なしで受けられますよ! (関西へ)行かせることが可能であればぜひ勧めたいです。」 私は先生から 「・・・難しいですね。」   と言いづらそうに告げられるのではと危惧していた。 ところが先生の声は急に明るくなり、 追いかぶせるように返事をしてきたので驚いた。 イケメン先生は どうしても伝えたいことがあるときは 少しかぶせて返事をする。 東京に在住している場合、 他府県へやりたがらない保護者も多く、 そこに大学はあるのだけど 選択肢にならないケースがほとんで、 先生はウチもそうだと思っていたらしい。 確かに通っていた中高では そういう子がほとんどだった。 「MARCHや関関同立 早慶上理 国公立の理工学部に 的を絞った指導をしてきました。そこの試験を突破する力は 十分にあるはずです。」 「解りました。息子にも異存はないと思いますが 一応確認して、受験スケジュールを組んでみたいと思います。」 そう言って電話を切った。 そのタイミングでちょうどイチローが塾から帰宅した。 私の前を通り過ぎるイチローに さりげなく声をかける。 「ねぇ。関関同立、受けてみない?」 「え?いいよ。」 ここ数日、新しい出願の話をするたびに 溜息をつき、顔を曇らせ、 行きたくない。 死にたい。 とまで口にして拒絶してきた息子が 関関同立は二つ返事で受けるといった。 彼は、受験するのや勉強するのが嫌なのじゃない。 付属大より下に行くのが嫌なんだ。 ・・・付属大以上を取りたいんだ・・・。 話は決まった。 スケジュールを組んで対策してもらおう! もう受けるところすらない、 このまま二浪するしかないのかと 閉塞感がみなぎっていた我が家に また小さな光が見えた一日だった。

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