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小説 バレルと修平(序章) 

僕とバレルは、幼馴染の何処にでもいるであろう高校生である。互いはどこか似通っていて、話も合い、切磋琢磨して、ある程度の高校に入ることに成功した。同じ塾に通い、同じ釜の飯を、それぞれの食卓に招き合い、食うこともあった。 二人の得意としている分野は不思議と違っていた。僕が理系であり、バレルは文系である。その補填を教え合うことでした。

バベルは、シャープペンシルを器用に指先で回転させながら言う「空腹の時ほど、人間の思考能力は研ぎ澄まされるんだ。だから、勉強する時はお腹が減っている時にするといいよ」 僕は、消しゴムで曲がってしまった線を消しながらそれに答える。「本当かい。それは、頭が回らない気がするけど」 バベルは、少し考えて、息を吸い込み吐き出してから答えた。「お腹が一杯の時の方が頭は回らないさ。胃袋で何もかもを処理しないといけないからね」

学校の図書館は、期末テストの頃になると、生徒でごった返して、とても勉強が捗りそうもない。  そこで、いつもそうするようにバレルの家で勉強することにした。上品なバレルのお母さんは、いつもとても苦いコーヒーを淹れてくれる。そして、それと対照的なとても甘いショートケーキを与えてくれる。とても良いバランスだ。僕はそのケーキと珈琲が大好きで、知らぬまに食べてしまう。バベルは空腹であることが学習能力を高める要素であると力説した通り、手を付けずに、淡々と机に向かっている。僕が食べてあげようかというとバレルは大抵そっとケーキと珈琲をくれる。バレルは食にはあまり関心がない。

「誘惑に耐えて、勉学の励むことは、地味だけれども難しい。継続的な持久戦だ。積み木のように、土台を組み立てて、思考のタワーを築いていくんだ。」 「非常に地味だよね。若い僕らがすべきとこでは、ない気もする。」 「しかしね。意味のない事を力を向ける事は時として自分を救う」

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