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小周天正攻法-築基篇

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[注]本章は、ガイアブックス「ムドラ全書」を引用する体裁をとっており、購入もしくは借り入れを推奨します。 ムドラ全書には行を補助する108にも及ぶヒンドゥー教由来のムドラ=手印が図と組み方、効用が詳述されており、この書物自体、後世まで読み継がれるべき神秘行の大著です。

練精化気

「練精化気」とは仙道用語で、精力を気=生命エネルギーとして昇華する過程を指す。有り余る精力を無駄に消費するくらいなら、生命維持用のエネルギーに還元したほうがよかろう、という安直な考えからこの言葉を検索すると、「練精化気とは、小周天のことである」ときたもんだ。 小周天とは、端的に言えば気を人間の胴体と頭部を縦に分けるように存在する奇経・任脈と督脈に通して回しまくる行法で、呼吸法主体で意念も少し使う「座行」である。 が、ここではすでに「気の感覚を身に付け」「任脈と督脈に詰まりがない」のは当然のこと、「丹田で気が発生する」という現象を体感していないとできないとされている。 この中で特にデカイハードルは丹田での気の発生で、ここで躓く人が多いのではないかと思う。

老廃物があると、気が溜められない

いろいろ調べた結論から言えば、仙道における小周天の準備段階「築基」が核心を得ていない方法で行われており、効率的でないというのが僕の意見である。このあたりについては、ヨガ理論から引用したほうがわかりやすい。 アパナ(丹田)とプラナ(壇中)の間、みぞおち辺りに火(アグニ)が燃えている、と、ヨガの世界では考えられています。このアグニが、老廃物(ドゥッカム)を燃やします。 通常の呼吸は無意識に行われますが、プラナヤマ(ヨガの呼吸法)は意識的に呼吸を行います。 意識的に息を吸うと、「炎は下腹部へと向かう」と言われています。  意識を向けた吸気は、下腹部に溜まった老廃物を燃やしやすい位置にアグニを移動することができるわけです。  吸気の後のクンバカ(保持)は、アグニが老廃物を燃やす時間を長くする為に行われます。  そして、意識的に行われる呼気は、「アパナ部分を引き上げることによって更に老廃物を炎へと近づける」そうで、  呼気の後のクンバカ(無呼吸状態)は、ダメ押し。これでもか、と、老廃物を燃やし切るのだそうです。 燃やされた老廃物は、吐く息とともに体外へ。ヨガの呼吸法の練習が<吐く息>を細く長くすることから始める理由も、納得いただけるかと思います。プラナヤマは瞑想への架け橋でもありますが、その第一目的は身体を浄化する行為なのです。 老廃物を体内に溜めておいては、様々な問題が発生します。便秘が筆頭ですね。アパナ部分を刺激するアパナーサナの日本語名<ガス抜きのポーズ>は実質的な問題解決法の一つかと思います。始めの方で書いたように、ここで扱っている老廃物は<精神的なもの>も含みます。 ここでは、ヨガの世界で考えられている、老廃物が溜まると一番困る現象をお話しておきます。それは  プラナ(=気)が体内に入りにくくなる、そして  プラナを体内に留めておくことができなくなる、 ということです。プラナヤマは、老廃物をアグニがより多く燃やし、吐く息で老廃物の燃えカスを体外に出すことによって、プラナ(=気)が身体の中を満たすことができるようになるための練習・訓練です。 [結論]意識的な呼吸は、気を体に溜められるようにする体質をつくるためにある。コレが出来ないと、小周天の入り口にも入れない。

入門者に不親切な仙道

そもそも、仙道で指導される築基は「食生活改善」「気功」「妄念をなくす」「劫を積まず」「徳を積み」「精が丹田に生ずるのをひたすら待つ」と言っているが、行の障害の核心である老廃物については何一つ語っていない。これでは、何が悪いかがわからず、やがて何の為に修行しているかも忘れ、全てを忘れて俗世で気を浪費するパターンに逆戻りする。 世の中には、敵がいる方がやりやすい手合いもいるのである。では、その敵とは何か?再びヨガ理論を引用すると、 <精神的老廃物>の出所は、  環境の変化  過剰な欲望  生活パターンを脅かすトラブル、緊急事態  自律神経の乱れ(ヨガ的には、人間に備わる純粋・激情・惰性の3つの状態がTPOを弁えず活動する事) の4つの事象で中心軸が揺るがせになり、老廃物が発生するのです。 気が丹田で発生する時の障害は、上記のもので全てである。 今まで小周天が上手くいった人は、生活が安定していたり、欲があまりなかったり、動揺しにくい、ブレないなど、そもそもこういった老廃物が出にくい人だったと推測される。 築基の本来の目的はこれらの排除にあるものばかり。逆に、これらさえ対策できれば気功なんぞやらなくてもいい、ともいえる。 千峯老人の「心が安定すれば、築基は完成する」という言葉は、精神的老廃物=ドゥッカムの概念と、中心軸をゆるがせにする事がよくないことがわかると理解できると思う。 では、「老廃物(ドゥッカム)対策」と「アグニ強化法」を紹介していこう。

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