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小島一晏【旅人讃歌】vol.10「家なき子にも明日はある」

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-静岡駅前- 「それじゃぁイアンくん、頑張れよーっ!!」 「はい! ありがとうございました!お元気で!!」  人っ子一人も居ない閑散とした真夜中の静岡駅に到着。早速、寝床を探そうと歩き出した僕は突然の眠気に襲われた。 「こんなとこで、マジっすか?とにかく眠すぎるぅ~~~。」  僕は足早に寝床を探そうとしたが、そこまでの持久力が残っていなかったので探すのをすぐに諦めることにした。そして歩道の真ん中にマットを広げ、落城のごとく身を崩し爆睡した。  翌朝、目覚めると僕は人波の中にいた。通勤ラッシュのサラリーマンやOL・学生たちが迷惑そうに僕を横目で見ながら避けて通り過ぎて行った。 「アカン!ココめっちゃ交通量多いやん!ご、御免なさい!!」  素早くマットを丸めると再び僕はエグザイル(漂流者)に。ブラブラ・グルグルしながら呉服町通りに辿り着いた。 「とりあえずマック入るか。」  ささやかなブレックファースト。ソーセージエッグマフィンをそれほど咀嚼もせずにペロリと平らげた僕はチビチビとアイスコーヒーを啜り始めた。その矢先に僕は窓の向こう歩くギターボーイを見つけた。 ”おっ!行くべし!!”  アイスコーヒーを一気飲みすると僕はスピーディーに彼の元へと向かった。 「おはようございます!!」 「ん?誰?」みたいな表情をしているギターボーイ。 「え~と、誰...でしたっけ?」 “そりゃ無理もないわ” 「いやぁ~突然でスイマセン。はじめまして、僕は東京の歌うたい・イアンです。よろしくお願いします。」  僕は右手を彼の目の前に差し出した。 「あ、ああ、はい。どもよろしくです。」  僕らは握手を交わした、やや強引だが。 「あの~、ちょっと聞きたいんですけど、この辺の路上で歌えるとこって...?」  彼は考えもせず淡々と答えた。 「ああ~、この辺ですよ。」 「おおっ!!」  彼は地面を指差した。 「この辺は夜になると歌うたいがギター鳴らして歌ってるんですよ。」 「あっ、そうなんだ。ところで君はこれからどこかで歌う人?」  僕は少しずつ硬い会話を緩めていった。 「はい。あ、そうだ...僕と一緒に来ます?」  話を最後まで聞くことなく僕は即答した。 「もちろん、喜んで♪」 。.。 o○* 。. 。. o○* 。. 。. o○。 .。

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