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【第一作】2センチ上げる

3年前に出版したショートストーリー集「2センチ上げる」。おまけで未発表作「ごめんね、Aちゃん」「アキの気配」をつけました。 ☆amazonで販売している「2センチ上げる」に収録されてる「はじめに(終わりも兼ねる)」「海と奥さん」はこちらにはありません。その分おまけがついています。ご了承ください。 「2センチ上げる」は「2センチ体が浮くくらいのちょっとしたうきうきした気持ち、ほっとした気持ちや希望、ユーモアをつみ重ねて日々を生き抜こう」というメッセージを込めてタイトルにしました。 まずは「しぃこさん」という作品を途中までですがご覧ください。 :::::::::::::::::::::::::::::::::: 「しぃこさん」 「何でも一工夫」がしぃこさんの口ぐせだった。 話は五年前にさかのぼる。 当時私は仕事を辞めてまんじりとしていた。辞めた時にはあれこれやりたい事はあったのだが、いざ無職になると減っていく残高を見るのが恐ろしく、結局部屋にこもって情報収集で疲れてしまう自分がいた。そんなある日、友人Aが食事に誘ってくれた。それが「スナックしぃこ」だった。 しぃこさんは膝を痛めていた。 「最近は立ちっぱなしがしんどうてね」 とカウンター内の丸椅子にどかっと座ったしぃこさんに 「だったら、この人働かせたら。今、無職で暇しとるし」 とAが言った。 私は焦った。 「そんなの無理だよ、私酒飲めんし」 と言うと意外にもしぃこさんは乗り気だった。 「そら、助かる。酒は飲めんだっちゃ、他にやる事はどげんでんあるけん、大丈夫。えーと、名前は何だっけ」 「ゆかりです」 「わかった。じゃあ金曜から来て。まずは週3から始めてみよ。時給は850円やけどよかね?」 戸惑う私に、Aは 「コンビニで時給700円で働くよりもよかろが。週3やって嫌なら辞めてよかけん。」 と耳打ちした。 「何事も経験よ。考えといて」 考える余地はなかった。

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